真宗大谷派 西照寺

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『宗教哲学骸骨講義』意訳


第五章 生成(転化論)

 『骸骨』第四章参照。

「貫通する同一性(一体貫通)」  この貫通する同一性について、カントは或る時は不変であるが、永遠に不変でなくても良い、と考えた。 しかしこのような考えは理屈に合わない。
 なぜなら、この同一性は、同一であってかつ〔ある時には〕合成されて、その後に分離するというのであれば、 変化するという捉え方そのものが保証されなくなる。したがって〔カントの言う同一性は〕変化を貫通しているものではなく、 よって変化そのものを説明できなくなる。〔拡大解釈した。〕
 以上から、永遠に亘って同一不変のものがなければならない、というのがここ〔 『骸骨』第四章〕で述べていることである。
 貫通する同一性がなければ、変化の説明はできない。〔任意の二つの時点での〕同一性があるときは、 その変化というものを説明できるが、その同一性が崩れてしまっては、変化の説明が不可能になる。


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『宗教哲学骸骨講義』意訳

更新情報・使用法・凡例
はじめに
-----意訳開始-----
緒言

本論
第一章 宗教の定義

第二章 宗教心

第三章 宗尊体論

第四章 霊魂(霊魂論)

第五章 生成(転化論)

第六章 善と悪(善悪論)

第七章 心の平安と徳の開発(安心修徳)

-----意訳終了-----

原文

pdf版(印刷用)

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